最近よかったもの
◆小説:ザ・ビデオゲーム・ウィズ・ノーネーム/赤野工作(KADOKAWA)
◆小説:完璧じゃない、あたしたち/王谷晶/(ポプラ社)
◆小説:U/皆川博子(文藝春秋)
◆小説:ダ・フォース/ドン・ウィンズロウ(ハーパーコリンズ・ジャパン)
◆小説:お布団とその先生/石川博品(小学館)
◆小説:ネクタリースと灰の花束/井上雑兵(randam_butter)
◆小説:龍のグリオールに絵を描いた男/ルーシャス・シェパード(竹書房)
◆小説:蟻塚の中のかぶと虫/ストルガツキー兄弟(早川書房)
◆小説:ついてくるもの/三津田信三(講談社)
◆小説:シャンプー・プラネット/ダグラス・クープランド(角川書店)
◆人文:東京湾諸島/加藤庸二(駒草出版)
◆人文:自死という生き方/須原一秀(双葉社)
◆人文:アメリカ超能力研究の真実/アニー・ジェイコブセン(太田出版)
◆人文:ファッションフード、あります。/畑中三応子(筑摩書房)
◆人文:死者を弔うということ/サラ・マレー(草思社)
◆人文:バルチック艦隊ヲ捕捉セヨ/稲葉千晴(成文社)
◆人文:説教したがる男たち/レベッカ・ソルニット(左右社)
◆人文:災害ユートピア/レベッカ・ソルニット(亜紀書房)
◆人文:すべての女性にはレズ風俗が必要なのかも知れない。/御坊(WAVE出版)
◆人文:ドライブイン探訪/橋本倫史(筑摩書房)
◆コミック:ゆるキャン/あfろ(芳文社)
◆コミック:凪のお暇/コナリミサト(秋田書店)
◆コミック:売野機子作品集/売野機子(白泉社)
◆コミック:メランコリア/道満晴明(集英社)
◆コミック:てるみな/Kashmir(白泉社)
◆コミック:愛と呪い/ふみふみこ(新潮社)
◆コミック:空電ノイズの姫君/冬目景(幻冬舎)
◆コミック:ララバイ・フォー・ガール/松崎夏末(祥伝社)
◆コミック:グヤバノ・ホリデー/panpanya(白泉社)
◆コミック:リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン:センチュリー/アラン・ムーア、ケビン・オニール(ヴィレッジブックス)
◆音楽:いつかみた国/崎山蒼志
◆音楽:時の肋骨/The Pinballs
◆音楽:10/高岩遼
◆音楽:マリアンヌの革命/キノコホテル
◆音楽:30/電気グルーヴ
◆音楽:少年サタデー/岡村靖幸
◆音楽:SUNRICE/米米CLUB
◆音楽:あゝ無情/ベッド・イン
◆音楽:Suspiria/トム・ヨーク
◆音楽:天体/Polaris
旧ログ
2017.09-12
2018.01-032018.04-062018.07-092018.10-12
 Mar.19.2019
日曜日、先ごろに書いた上野からお台場までの道のりを軽挙妄動フレンズと一緒にお散歩してきた。今回は先坂くん/篠塚くん(a.k.a.かつしー)/ねこたろうさん、そして先坂くんの友人のO氏の五人。疲れたけどやたら充実感があり楽しかった。結果として一五キロ+αほどをおしゃべりしながらウロウロしてて、なんだかんだで人間それなりに歩けてしまうものだな。

 上野ではアメ横で屋台中華に乗りこみ、麻辣肉うどん/羊肉の串焼き/焼き小龍包を食べたんだけど、この辺りのカオス感は妙に異国情緒にあふれてて、大陸からの旅行者や在日外国人だろう人々に囲まれてごはんを食べるのは不思議に楽しい。あのガヤガヤした感じは独特で、周りの日本語、話し声や、それこそバッグの安売りでがなりたてる売り子の声が知ってる日本語から乖離しはじめるる。地下街ではねこたろさんとともに南洋ジュースで乾杯というアジアンタイムをすごした。あの茫洋と見慣れぬ食材や人混みのあいだを、当て所も曖昧に進んでいく感じはpanpanya漫画感ある。ところで、ねこたろさんと飲んだやつはグヤバノジュースだと思って買ったんだけど、よく見たらグアバジュースでしたね。画像を整理してていま気づいた。道理で味が記憶にあるよりもよほど爽やかであると思った。。。侘びに今度本物のグヤバノジュースを持っていきます。

 食後は高架沿いにどんどん南下し、秋葉原や銀座、築地前と通り、浜離宮を横目に通ったり。浜離宮をすぎてもうすぐレインボーブリッジという辺りで植え込みのローズマリーを見つけ、みんなしてさわさわして爽やかなにおいをつけてる辺りの幼児退行感は笑った。手から香草を使った料理のにおいがする……とはかつしーの言。これが注文の多い料理店だったら全滅の兆しありだった。その後、マイナーコンビニ、というかローソン亜種のポートストアに意図せず遭遇できたのはいい収穫だった。窓にはさり気なく税関の告知が貼ってあって笑ったんだけど、「この貨物…いつもの違う?」と露骨に思うことはあるのだろうか。ちょっと面白い。海運周辺ならではの文化かもだな。しかも密輸ダイヤルという直截さ。


 ジャンクションの足許が大概そうであるように、レインボーブリッジのふもとがなんとなく超伝奇バトル物のステージっぽかった。広漠とした都市空間はだいたいそう見えてしまうの、ジャンル者の宿痾かも。ここからプロムナードにあがってお台場に渡ることとなったんだけど、マジで怖かったな。まず見上げた時点で怖い。いざ上がるまではまだ物言う気力もあったのだけど、思ってたのの十倍くらい嬉しくないシースルー感満載であり、フェンスはそれなりの高さで張られつつ完全に覆うわけではなく、しかも海風に吹かれているものだから延々とカタカタ音を立てる始末。なんともいえない不安定感の恐ろしさたるや尋常でなく、ただ突っ立っていると車が通行するときの勢いで足場が揺れるから動きつづけなければならないというのがまた恐ろしい。点検用だろう階段とか見ているだけで縮みあがり、MGS2の雷電ってすごかったんだな、としみじみ思ったね。もうどこを見てもどこかしらの隙間から海面が覗いてることの怖さもものすごく怖い(トートロジー)。高所への恐怖ってつまるところは墜落と死/苦痛への想像力が励起されることだと思うんだけど、あれですね、アイフォンを使うようになってからは「落としたら取り返しがつかない」との要素も追加されていることに気づいた。もう風が煽るものだから手許からすり抜けたらどうしようかとビビリにビビり、結果として一枚しか写真を撮っていない。この写真も隙間から海面が見えてる……怖い……。思い返すと笑ってしまうのだけど、先坂さんに諸星きらりちゃん口調でおちょくられ、いつもならワハハとなるところをことば少なに牽制したりなんだりで本当に余裕がなかったな。本当に怖かった。正直なめていたし、高所恐怖症にはだいぶ堪えたし、最終的にはねこたろさんに手をつないでもらった状態で渡ったし、アラサーなのに本気でちょっと泣いてしまった……。あと対岸近くで低くなった手すりから身を乗り出す先坂くんにはマジでビビらされた……。

 すっかり高度にやられた反動か、無事お台場について台場公園をウロウロしてるときは完全に童心に帰ってしまった。帰ったっていうか退行。かつしーが木の棒を拾った時点でだめだったね。一緒になって木の棒を拾う、砲台跡で人間砲台となる、走り回る、池を見つけて駆け寄る、謎の穴(調べたら火薬庫跡だった)に入りたがる、などなど。アラサー……。人間、二十を超えると一回カウントがゼロに戻ってまたやり直すという持論があるのだけど、それの体現見たくなってた。人工海岸の砂をもこもこ踏みつけながら人が関わっている案件の暗々した話に耳を傾けたのち、水上バスに乗ってまたはしゃいだり風に吹かれたり軽く船酔いしたり寝たりしつつ隅田川を遡上し、浅草で飯を食ってはかつしー宅にあがりこんでNetflix見たりしておしまい。なんかやたら楽しかったけどわけのわからん一日だった。
買ったり借りたり。
 特殊部隊全史 SAS誕生からフセイン暗殺計画まで/マーティン・C・アロステギ
 バウドリーノ上/ウンベルト・エーコ
 暗殺者の反撃上下/マーク・グリーニー
 ロシア民俗夜話 忘れられた古き神々を求めて/栗原成郎
 靴ずれ戦線ペレストロイカ2/速水螺旋人
 コカインナイト/J.G.バラード
 チョーク!/チャック・パラニューク
 ポストマン/デイヴィッド・ブリン
 欲望/スーザン・マイノット
 へらへらぼっちゃん/町田康
 誰かの家/三津田信三
 早川は既出のパラニュークを文庫化するくらいしてもよくね?! サム・ロックウェル主演のセックスクラブが結構好きでありつつもいまだに原作読めてねんだけど……とキレていたところ、かつしーが原作の「チョーク!」を貸してくれた。ありがたい。最近ジェネレーションX世代周辺の作家にちょっとハマっているから、近々読んできたい。90sの文化カラーリングと、それを享受して育った世代への強い憧憬を自覚したし、それも含めてうまく消化していきたい気持ちもある。
 あとは人からの影響で町田康にハマったり、相変わらずブックオフの百円コーナーにはよく言っているので欲しかった本をちょこちょこ安く入手したり、という感じ。コカインナイトは百円でないにせよ、帯付き美品が安く変えて嬉しい。
 Mar.09.2019
中学時分は深夜ラジオを聴き逃すと精神的ダメージがでかかったもので、深夜の馬鹿力と日曜深夜帯のアニラジで寝落ちをやらかすと黙示録気分に直行してた。そこから十年以上を経て最近はradikoがあるし、そもそもさほど依存してないからダメージもない。ないんだけど、長距離の深夜散歩をもくろんでたとこで寝落ちしちゃって同系のダメージをそこそこ食らってる。少し頭がふらついて寝転がってたらこのざま……せめて家の周りくらい歩きたかったが……。
 Mar.04.2019
悩んでた作業の一段落とともに、お話の民俗学的語り部分をおぼつかない手で書いてる。こういうの、やりはじめと資料準備は楽しいけどいざ動くと読んで楽しかこれ?と疑問符がでてくる。絶賛でまくっている。自分の原点と近いとこにある木島やら百鬼夜行やらを読んでるときに抱く楽しさと、似たことを自分がやるときの自己信頼性みたいなのは全然違うとこにある。
ここのところ徒歩で一、二時間の深夜散歩をするのがここ最近の流行り。いつもは自転車での半径五キロ圏内ポタリングが散歩のメインだったんだけど、また遠出してウロつきたいから、それに備えて身体を順応させてる。
 動くのはだいたい三時、四時くらい。いまの季節、これくらいの時間に動きだすと世が明け切る前に帰ってこれて良い(齢を重ねるごとに何故か夜明けが好きでなくなってく)。軽めのスニーカーを履いて少し早目の歩調で散歩していると、景色のなかに見出すものに差異があって楽しい。自転車だと夜の大枠を楽しむような風合いとの気づきがある。徒歩はゆるやかだから知覚のディテールが細かくなるな。犬と散歩する人。コンビニの駐車場に入ってくるトラック。遠く新聞配達の音。夜光から外れた薄暗がり。そこを目的がある風でもなく(いやあるんだろうけど)のたのた歩く年寄り。緩慢に動く世界の気配が隣りあわせたものになる。それらをぼんやり眺める心地を思いだすにつけ、夜の大枠を楽しむというのは自転車による速度が視線から細部をちょっとずつ剥離させ、箱庭ゲームに感覚を近づけていくからかも、なんて思う。視点の差。FPSとTPSの違いとかね。自転車はTPS的かもしれない。なんかまたディテールの曖昧化がゲームっぽくとの話を繰り返してる気がするな。気じゃなくて繰り返してるか。こういう体感速度の違いは普段の生活が重なるとぼんやりとくすみ、簡単に忘れてしまうから、やるごとに新鮮な気持ちを味わえる。
 そんな風に散歩しながらゲーム実況やVTの配信、録音した深夜の馬鹿力を片耳に入れたイヤホンで聴いてると、あっちゅう間に六、七キロ進んでる。これだけでも楽しいんだから、友だちとだと一層なんだろうな。軽挙妄動でつるんでる先坂くんいわく、上野からお台場まで三時間ほどで行けるらしく、それ大変愉快そうであるなぁ、とか。軽率に長距離徒歩移動したいもんです。思うに、道中で軽く飲み食いしてひどく疲れたらタクシーで帰ってこれるくらいの金だけ持って、軽装でウロつくのがいちばんの贅沢。いま考えつく限りの。
買ったり。
 オジいサン/京極夏彦
 鬼談/京極夏彦
 シャンプー・プラネット/ダグラス・クープランド
 *快絶壮遊 天狗倶楽部:明治バンカラ交遊録/横田順彌
 先月もらった流れの一環で天狗倶楽部本をねこたろさんからもらってしまった。引きつづきありがとうございます。阿武天風のことがちょこちょこ書いてあり、過去にお話で扱ったこともあってなんとなしのノスタルジアを憶えたりね。あといだてんに関与しつつ、クレジットしなくていいよ〜というヨコジュン先生のおおらかさよ。クープランドは初読時からだいぶ時も隔てつつ、そろそろ別の感慨を抱きそうなので作家単位で再接触。手許にあるジェネレーションXとかも読みなおしてきたい。
 Feb.18.2019
よくよく学ばないな、とさまざまなことに対して思うのだけど、またしてもプロバイダの支払いを忘れてネット回線が止まるミスをやらかした。VTにハマった人が動画を見れなくなると大変つらい。自業自得とはいえ、ソネットへの恨みが募る(回線復帰までだいたい一週間かかる)。また精神的にだいぶ落ちる出来事があったから、なおのことつらかった。
サイト作るのにcssを導入してから数年。ようやく均等割付という概念を学んだことで、字詰に関する悩みから解放された。ずっとこれやだなーと思いつづけていた部分だから、ストレスのなさっぷりがすごい。すごーい! ヤッター! と、本気でバンザイしてしまったレベル。画期的だわ……。ていうか勉強しないからこういう初歩的なところでつまずくんだろうな……。いやはや。
買ったりもらったり。
 *幻の韓国被差別民 「白丁」を探して/上原善広
 *双血の墓碑銘/昏式龍也
 凪のお暇5/コナリミサト
 世界は寒い2/高野雀
 ドライブイン探訪/橋本倫史
 グヤバノ・ホリデー/panpanya
 リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン:センチュリー/アラン・ムーア、ケビン・オニール
 なんやかんやあってねこたろさんから二冊ほど本を頂いてしもうた。ありがとうございます。
 LOEG:センチュリーが傑作だった。前二作がネタつめつめなところに暴力描写や性描写を含む大人向け感こそありつつ、物語の造形としてはある種の烈しさよりは、どちらかというとノタノタした部分がめだってたのだけど、今作は楽しさの権化。怪人同盟とアンチキリスト誕生をめぐる陰謀との戦いが三幕構成、一世紀に渡って描かれてて、これを物語る勢いがステキったらない。戦いの皮相的なところにはぐらかされる第一部。敵の計画がもつ本質に気付かされる第二部。そして多くのことが砕け散り、時代の速度においていかれてグッタリなってる主人公たちがふたたびたちあがる第三部。迂遠な計画にたどりつくために情報収集で敵の足取りを追っていくシーンが多く、それが各時代ごとのそれっぽさでスパイ物としての楽しさを裏切らないように作ってあったのがだいぶ嬉しかった。情報収集。推測。追跡。対応。そういう手順。そんなお話のなか、さまざまな積み重ねで陰謀に到達して阻止するもなかば失敗し……みたいな作戦で疲弊していく感触が強いのはイギリスならではって感じか。第三部で精神病院に幽閉された主人公の一人を救出しに行く流れとか、結構胸が痛くなる。ジェームズ・ボンドの群れがでてくるバカスパイネタとか、笑いどころはありつつ。そういったスパイ物の質感に隣り合わせる、ロンドンを舞台にしたアーバンファンタジー/伝奇としての描写が寄り添ってるから、これまたたまんない。ハリポタをだいぶ悪意ある形で下敷きの一部にしてるのとかムーアらしいったらなし。そうした暴力的な伝奇としての語りは、過去作だとテンションを上げさせないオフビートさに彩られていたのだけど、今回はかなり王道行ってて、しかも行き着くはてで、いきなりめちゃくちゃ笑ってしまうネタを入れてくるからマジで難儀な人だなアンタ!(褒めことば)ってな気持ちになる。あのリターンズ映画がやってるタイミングでこれを刊行するヴィレッジブックスのすごさ。できればそのすごさのまブラックドシエとテンペストも刊行してほしい。
 Feb.03.2019
いま作業を進めてるお話に調査パートつーか、推理パートつーか、情報を照らし合わせて敵の正体を探るところがあり、それをどうするかでずっと悩んでいる。見事に進展なし。手順はさておき、論理性と道具立てに難が……こういうときにお話上の筋道をつけるのが不得意と再認識させられてしまうね……。細部でつまらず清書がサクサク進むよう、決め打ちにむけたプロット作成を徹底してるここ数年なんだけど、詰まったら詰まりっぱなしな状況になるとダメージが大きい。早いとこしあげたい。寝る前にうんうん唸って手書きメモを整理するの疲れるからな(何より延々と字を書くのが疲れる)。
買ったり。
 怖い絵/中野京子
 怖い絵 泣く女篇/中野京子
 ドッグ・イート・ドッグ/エドワード・バンカー
 ついてくるもの/三津田信三
 意地でも本買ったるわ!との思いで、仕事帰りにブックオフの百円コーナーを漁ってきた。なんとなくで行ってドッグ・イート・ドッグ拾えたのはよかった。
古本から除ききれない値札シールの粘着剤をこすり落とすにはティッシュよりメイク用コットンのがむいてる、と気づいてどこかで書こうと思いつつ、完全に忘れていた。明らかに本へのダメージが少ない。
 Feb.01.2019
インフルエンザが職場に穴あけて休みが潰れてしまい、風邪をひきつつ連勤中なので気だるさを逃す先がない。髪を切りに行こうとのタイミングだったから頭ボサなままなのも困る。パーマはとれてツーブロックも消えてる……。
そんな今日この頃はRE2を延々とやってた。無限コンバットナイフと無限サムライエッジ・オリジンは獲得できたからひとまず一旦おしまい。フラゲ情報から残虐描写が削げてると知って意気消沈したけど、それもつかの間、プレイすればとても楽しいリメイク版だったな。体験版から得た心地がちっとも損なわれてないのすごい。しかも再構成と要素の増減でホラーとして整える姿勢が最後まで貫徹されててたのも、プレイ中はずっと嬉しかった。暗闇を歩くこと、ゾンビと交戦することの忌避感が維持され、無駄撃ちでカツカツな程度の絶妙な弾薬を手繰ってさまようから、プレイ中の緊張感も半端でなかったしな。プレイ後の肩コリと眼精疲労で連日クタクタになって寝てた……。
 再構成っぷりは、ここまでやると文句のつけようがないな、といえる塩梅。見かけのうえでは、ある程度のリアリティで正した警察署、その地下に広がる空間に1・5とのマッシュアップ感覚がうかがえて楽しさがあった。序盤で通りすがるだけだったラクーン市内の再配置なんてなおのこと。封鎖された警察署地下のシャッターから脱すると、大通りから外れて建物の膚にとりつく階段へあがり、ゴミ箱をよじのぼり、裏通りに出ていく。既視感(デジャ・ヴュ)末視感(ジャメ・ヴュ)。この二感覚で旧2プレイ時の記憶を混ぜっ返しては覆す、都市空間としての拡張、ふさわしい街路の再配置が本当にうれしい。元の地下駐車場はシャッターの封鎖をとけなかったもんな。街路を塞ぐゴミ箱のそばで、旧2から続投となる懐かしい服装のゾンビと出会ったときの心地だって表現しがたいものがあった。ラクーンをさまよいたい、と願った幼い自分に報いてくれた感が濃い。
 加えて、そこに物語上の変奏も帯びてるのがすごい良い。例えば旧2なら最序盤、銃砲店で出会うロバート・ケンド。ゾンビに食い殺される惨い死のインパクトだけで訴えかけるキャラが、RE2のレオン編ではアンブレラへの怒りと決意を抱かせる、ひとつの区切りとして登場する。感染した娘と、自分でカタをつけなければならない父親――という物悲しい構図を、しんみり描けるのは本当に恰好良いと思う。演出に理性的な抑制が利いてる。残虐さを補強しつつ、細部でちゃんと引き算もできるのが当世風というか。ちなみにクレア編では、アネット・バーキンの存在感が強調され、これまた再編成が上手なのだな。地下に漏出したG――夫が変異した怪物やG胚を葬るべくして追跡、調査するものの、その顔つきは焦燥して、疑心と敵意で険しい。娘のシェリーを守るためにGを追っているのだけど、その思いもまた平坦ではなく、ドラマとしてうまくやっている。娘が非常事態下を歩くとは思わず、心も疲弊してるから、顔をあわせても責めるようなことば選びをしてしまう。それがまた自分をさいなみもする。そういう、単なる悪役でない「親であることが下手な大人」としての性格付けのおかげで、結構胸に来てしまった。
 そういうのもあって、いまのとこクレア編裏がいちばん楽しかった。単純に構成要素がレオン編表より多いからってのもあるんだけど。レオン編と較べて愉快で凶悪な武器類がたくさん入手できるしな。スパークショットなんかは旧作の指向性放電器と違い、有線で高圧通電できる針を飛ばすテーザー式になってて感心した。武器としてのそれっぽい考証と試作の特殊機材といったデザインのバランスにフェティッシュがある。下水の資材置き場という配置に関しては、生体兵器(BOW)が研究所から漏えいした場合に備えて、との事前策なのかなと思ったり。終盤にしても、特殊武器(装備すると一瞬で毛色が変わる)で登場しないボスとかちあう流れがうまい。
 なんというか、良いところをあげたらきりがない。地下研究所のデザインが映画第1作の文脈を取り入れたテクノスリラー舞台設計だっていたり、植物クリーチャーのイビーが物体X文脈ですこぶるおぞましかったり、G系統やタイラントの造形がキモ恰好良かったり。悪いところは度を越してて鬱陶しいタイラントの追跡くらいか。あとは隠し武器の条件が常軌を逸して厳しいとこ(あんなのやる気出ない)。
 バイオハザードというゲームシステムとしては、ナンバリングタイトルのなかでもっとも楽しかったし、この調子の続編がでるといいな……。
panpanyaとかリーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメンとかの新刊が出てるとわかっているのに買いに行けない悲しさよ。
 Jan.19.2019
RE2のリリースまで一週間切ったしさすがにもうリーク情報見ない……見ないったら見ないんだから! と、抵抗できたのは半日ほどで、結局いろいろ見てしまっている。堪え性がないんだからもう。アイテムや武器類のメニューアイコンとか相当にアガりましたね(一部の武器を除き続投している!)。
 といって致命的なことをここに書くのも人として不本意なので、まあ、プレイに関して思ったあれこれ。デバッグみたいに細かい動作をチェックしてる海外勢のプレイ動画を見てたんだけど、これがまた微に入り細に入り、とても面白いものだった。ゾンビがドア開ける勢いに吹っ飛ばされウギャーッとなったり、ゾンビが屍体につまずきドテーッと転倒するの眺めたり。そういうのがありつつ、どうでもいい行動の繰り返しでプレイフィーリングの細部をえぐりだすのが良い。特にゾンビの身体の欠損。銃撃によって標的はどんどんボロボロになっていくんだけど、どうやら腕、脚に損壊を重ねることで単に相手の動きを制限できるだけでなく、部屋間の移動も抑制できるらしいのだな。グロテスクさとゲームシステムが同居している、というのは意識していなかった。ステキ。
 グロテスクさに関して言えば、ダメージ表現が思った以上に豊かであるというのがわかったり。休眠状態にあるゾンビの踝から下を散弾で粉砕すると、その骨がむき出しの脚先を床に突いて歩いてくる。至近距離から腹部に散弾を当てると上半身/下半身を断裂できる描写もよかった。これが日本でも導入されてると嬉しいのだけど……難しいだろうか。上半身だけで両腕もないゾンビが、それでもなおにじり寄り噛みつく光景はだいぶ心が揺れ動いた。
 グロテスク版、しっかりした内容であってくれ。。。
同じくバイオの話。にじさんじの本間ひまわりちゃんによる「1週間以内にクリアしたいバイオ」配信が面白い。人当たりのいい関西弁と「天と地ほどの差」と「雲泥の差」が混ざって「ウンとチの差」とか言っちゃうような言語感覚が、結構強い固有性を確立してる。あとアプリによる顔検出が他のライバーさんたちよりうまく言っているのか、Live2Dの動きが激しいのもかわいいのだよな。ええですわほんま……(嘘関西言語)。
掌編一個、短編一個の再構成作業が終わった。それはもうRE2くらいの再構成となっている……はず。あとは準備さえ整えば公開できるかなーと思います。そのときにはよろしくどうぞ。
 Jan.12.2019
バイオハザードRE2のワンショットデモ体験版がリリースされていたので早速プレイした。すでにゲームショーでのデモとかで公開されている序盤ステージ、ラクーン市警の警察署を三十分間の制限時間内のもと探索していく、という内容。D指定基準の体験版らしく残虐描写は抑えめだった。具体的に言うと眼前で死ぬ警官の内臓が出てない、リッカーに引き裂かれた死体の口蓋は断裂してない辺りのダメージ表現が露骨にマイルド。まあここらは製品版を待てってことなんだろうね。
 プレイ感覚としてはかーなり楽しいものだった。レオンを動かした手触りとして、かなりクイックな撃ちあい重視の過去作――4〜6ラインと違う、ちょっと重めな心地が独特。悪態も含めて状況への戸惑いがあって結構好きだな。人物の向いたほうへカメラを転換するクイックターン(普通のTPSぽい)も、いざやってみるとさほど不便ではない。カメラの動きがかなりゆっくりめに設定されてるから、据銃時以外の感度だけ少しあげれば焦らずプレイできそうかな、という印象。そんな手触りで行く闇は、万事が万事、すごい不安感を寄せてくる。闇を歩み、探ることを大事にしているなというのは、最初にウォークスルーがYoutueにあがったときにも感じたけど、いざやってみると既知の部分があってもかなり楽しい。それなりにネタバレの動画を見てても、ゾンビとの交戦はスリリングでイヤな気分が残る。壊れた人間としての膚や眼、挙動を描きだす技術が二十年以上を経て「戦いたかったゾンビ」のそれに追いつき、きっちり成立しているから相当怖い。。。
 交戦して対応できる瞬間、しきれない瞬間がそれぞれちゃんとあるのも怖さにつながっていたな。初期装備であるマチルダ(VP70)自動拳銃は装填数が少なく、反動が大きい(この点は多弾倉化/ストック&スタビライザ装備の改造で相当変わるっぽい)。一体だけなら落ち着いてこれを照準し、一旦動かなくなるまで撃てばいい。ただ弾薬は確保しがたく、ゾンビ自体も硬いから、多くて二人を相手にするので精いっぱい。ゾンビ映画でありがちな、余裕かましてると途端に劣勢に陥る図となりやすかった。この間合いが、ふらふらとやってくる姿に対し、うわヤだな……と思わせるのに役にたってて、ゾンビゲーとしてはかなり素敵なことだなーとか思った。まあこなれてきたら邪魔さが先だつかもだけど。実際、ちょっと慣れた状態では距離と身じろぎの隙間を測ってどけやいどけやい!とすり抜けてもいける。一方でそうしたプレイの問題としてたちはだかるのが、敵との接触時のダメージ軽減/回避手段がレバガチャじゃなくなってるところか。これと入れ替わりの消費武器による対応が、ダメージを受けずに遠ざける手段になってるんだけど、ちょっとキツい。コンバットナイフの耐久度の低さが眼について、緊急回避をすること三回で破損してしまうのはプレイ難度がちょっと高いかも、とか。ここら辺はプレイに慣れていけばまた違うのかな……。ちなみにコンバットナイフ自体は奇襲を重視すれば強武器、との感触が強かった。よそをむいてる標的に背後から近づき、一対一で、正面へ出ないように使いさえば、動作を抑制しながらうまいこと制圧できる。もしかしたらよたよた歩きの隙を縫い、死角から切りつけるように使えばそれなりに応じられるのかもしれない。
 他のシステムとしては、窓に板を打ち付けることの大事さもそれなりに感じさせられた。ゾンビとの交戦距離は崩れやすく、それが狭い空間となると(署内はほぼほぼ狭い)ちょっとしたしくじりだけで組みつかれてしまう。その際に食らうダメージ量が大きめだから、それを避ける動線の確保にはかなり気を払わせられそう。と、そんなことも考えたりしてうろついてたら地図取得音がコントローラを鳴らし、マービンからの通信がコントローラを鳴らし、というので飛び上がったりした。こういう演出好き。こと通信機への受信なんかは、実地だとこういうドッキリがあるんだろうな、という臨場感で本当に腰が浮いた。
 と、いう感じの三十分一本勝負は、尺がかなり絶妙だった。すでに内容を知っていればサクサクと探索し、武器を集め、クリア条件達成の前には最初の注意書きで表示されるように「ゾンビと戯れ」られる。未知の領域が多い人はおっかなびっくり進んで探索を楽しみ、脅威としてのゾンビにアワアワできる。そういう激しさと反対に、静的なところで感じるのは、探索要素――言いかえればお使い要素の適度な省略か。ラジコン操作時代のバイオから、前作の7でもそうだったけど、そう長くないシナリオにおける速度調整とADVとしてのリドルを考慮した探し物での右往左往との要素は、お約束というか伝統というかだった。旧2のレオン編で言えば、警察署での宝石/メダル集めとか。周回プレイでかったるかったのをよく憶えてる。これを探索ゲーとしてなめらかにしてく手際がちらほらしてて好感が持てた。いくら美術館を改装して手も加えたとはいえ、これは……と思う変てこさを、まあこれくらいなら……との範囲まで落としこんでもいるようだし。
 好感といえば、一九九八年考証にしてもそう。インタビューでぎりぎり成立するリアリティラインを保つとの旨を発言してて、それがときどき垣間見える。USB端子付きのラップトップ。キーレスエントリー。カードキーによる銃器管理。そうしたほんのちょっとだけ先にいった技術が、ラクーン市は企業城下町で警察も牛耳られてる状況にあり、金を注がれているのをちらつかせる。そこにハイテクや嘘っ子技術を乗せてくる、テクノスリラーSFとしての風情がとても良い。ともすれば忘れがちだけど、バイオハザードはゲームとしてのジャンルが「サバイバルホラー」であると同時に、フィクションとしてのジャンルは「テクノスリラー」だもの。遺伝子操作やらのハイテク技術。それによって生み出されたいびつな存在。大企業の陰謀。それに立ちむかう個人。エンタメやモダンホラーの分野で使われ、それこそクライトンとか、すごいわかりやすい例もある80s〜90s潮流のジャンル。バイオシリーズは、そのわかりやすい嫡子なんだよね。それのなかでも屈指のやつを、いまの技術で、あるべきかっこいい完全形にする感じ。そういうレトロスペクティブにだいぶ弱いから好感抱きまくりってる。気持ちが過剰になりすぎないよう、静かに残り二週間を待ちたいもんですが……。
散弾の着弾エフェクトによって肉がばっさり削げ落ちる描写が個人的にすんごい好きだから、あれがZ指定版でオミットされいないといいな。頭が破裂したり四肢が断裂する描写もそう。小中高とゴア描写で育ってきたから……。
昔はテクノスリラー趣味を盛りつけたホラーの類似品がちょこちょこ出てたよな……。ゲーム屋でジャケットを見かけたり、最盛期のファミ通で記事を見たりするたびにドキドキしてた。オーバーブラッドとか。パラサイトイヴの1と2とか。R?MJとか。オーバーブラッドに関しては幼心にもバイオの丸パクリやんけ、と思った(敵感染者の描写がね)。
 Jan.07.2019
明けまして。昨年は三一日まで仕事してたこともあり、季節感覚がクラッシュし新年感は別段ない。メディアっ子だった小中学生の頃はテレビまたはラジオをつけっぱなしで、新年の特別番組つまんねぇな、というのが年明け特有の感覚としてあったけど、最近はどちらもご無沙汰なので感慨がない。いや、粋な夜電波最終回は結構年末っぽかったか。年末通り越して終末という感じもちょっとあったけど。
 昨年はそこそこに低空飛行だった。更新は少なく、寄稿もしなかったから、今年はもうちょい高度上げていきたいものですが……。楽しいお報せができたらいいなと思います。現実問題としてどうなるかまだわからんが。
RE2のリリースまで一ヶ月を切った。楽しみすぎて結構な量の、それこそ中盤の下水道にいたるまでネタバレ動画をちょこちょこ見つつ期待感が損なわれてないのはすごいなやっぱり。個人的な懸念事項は回避行動の面倒くささくらい。たぶん難易度下げてプレイするんだろうな、と思いつつ眺めている。
買ったり。
 シュタージの犯罪/桑原草子
 9.11後の現代史/酒井啓子
 秘密戦争の司令官オバマ/菅原出
 蟻塚の中のかぶと虫/ストルガツキー兄弟
 チバユウスケ詩集 ビート/チバユウスケ
 アジアの岸辺/トマス・M・ディッシュ
 ランスの大聖堂/ジョルジュ・バタイユ
 ヨーロッパをさすらう異形の物語 中世の幻想・神話・伝説 上下/サビン・バリング=グールド
 ゴーレム100/アルフレッド・ベスター
 幽霊狩人カーナッキ/W・H・ホジスン
 妖怪の民俗学/宮田登
 ラッキー・ワンダー・ボーイ/D・B・ワイス
 気ィ狂ってんねんぞこっちはオゥコラボケがァわかっとんのかオラァッ、全員殺せ、全員片端にしろ!とサンダーロード気味な叫びをあげつつ年始早々に古本買いまくっていた。主としてブコフ。新春セールで国書のハードカバーを安く買えたのがなにより大きな収穫で、大掃除周辺のタイミングは新卒シーズンと同じく狙い目なれど、今回ほど釣果があがったのはじめてかも。他にもブコフオンラインでちまちまいろいろ買っている。あと蟻塚の中のかぶと虫も勢いで買ってしまった……ちょっとずつ読んでいきたい。ていうかSF偏差値が低い、サイバーパンク以外はそんなきっちり読んでこなかった人なので、ちゃんとしていきたいなーとか。思ったり。
 坂本美雨のThe Other Side of Loveを聴きたくなり、かれこれ二十年ぶりくらいに8センチCDを買ったりもした。小学生の頃、アニメ主題歌のを買って以来。 十代の女の子による、下手ではないけど技巧的でもない、フラットで澄んだ歌唱が好きだったりする。十代の坂本美雨に限らず、坂本真綾のグレープフルーツやDIVE辺りのアルバムとか。あとは平野綾が十二歳の頃にボーカルとして参加した、ドラマ版多重人格探偵サイコのキャラソンアルバム「ロリータの温度」とか。すごい好みな辺りではそんなとこ。最近は低年齢でも声量や歌唱力に富むことが多く、こういう種類の透明感(ロリコン的な色彩を帯びかねない語感だな)が濃い人はさほどいない気がする。これも一種の洗練性か。かといって十代のアイドルによくある「子どもが声を振り絞っている」という発声は昔からあまり得意じゃないんだよな。居た堪れない気持ちがにしかならない。生まれてこの方、モーニング娘以降のアイドルブームが眼前を通過しながら微塵もハマらず、それでいて「アイドル声優」との枠組みにハマる声優さんを好むのにはそういう感覚が関わってそう。なんか微妙なエッジにたっている。
 ちなみに昨今は水瀬いのりが好き。
『フェイクとリアルがここまで平然と反転してしまった今、こんな、ギミックは「批評」として成立しないでしょう。そう考えると、リアルとフェイクの区別がまだちゃんとついていた前世紀の終わりの時代がひどく遠く思えてきます』とは大塚英志の言。昨年末、大塚さんがルーシー・モノストーンの真実関連のファイルを引っ張りだして言ってたのを眼にして複雑な気持ちになった。良し悪し問わず、語ること、騙ることの洗練性で転覆していく空気のなかじゃまあ、そうか、みたいな。反転の物語だったもどき開口が一年くらい前に刊行されたのも、ちょうど、と言えるタイミングだったのかもだな……と、なんの含蓄もないことを考えたのを、ロリータの温度がどうこうってのから連鎖して思い出したから書いとく。あの人わりとすぐログ消しちゃうし、わたしも書いておかないとなんともいえん気持ちになったのを忘れちゃうし。
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