調整めんどくさいのであいてるカラム。
 調整めんどくさくなくなったら何かしら文章で埋まるかも。
 June.20.2018
マイメンの一人、篠塚陣さん(a.k.a.かつしー)がカクヨムにて、
 Spiegel del Guerrero
 というシュピーゲル・シリーズ二次創作小説の連載をはじめました。
 テスタメント完結後、プリンチップ社残党の暗躍するメキシコを舞台に、バイオレンスガールとCIAエージェント、メキシコ海兵隊特殊部隊が戦いを繰り広げるお話です。
 プロットを読まさせてもらったんだけど、これが結構な愉快案件。先ごろまでネメシス誌に連載されてたマルドゥックのスピンオフ「マルドゥック・デーモンズ」にて裏方でかかわっていた、麻薬博士(メキシコ麻薬戦争に通暁してるとはいえ字面があまりにもひどい!)の通称をもつ人の書くお話なので、味わいもばっちしです。わたしの書くお話を読んでくださる人にも楽しいと思うので、是非覗いてみてくださいね。
 はじまって早々に人が死ぬしな。というかプロローグ時点でもすでに人がばったり死んでる。
身の回りの人間がどんどんお話を書くようになるの、嬉しいし楽しいことだな。サイバーパンク会と称してつるんできた宅のほぼ全員が何らかの形で物を作ってる。近しい趣味性のものが増える増える。篠塚さんはこいつで第二回冲方塾に殴りこみかけるらしいから、がんばってほしいねホントにね。
 June.17.2018
Mush Dashというアプリゲームにハマっている。要は横スクロールアクション風グラフィックの音ゲーなのだけど、ビジュアル面がパンティ&ストッキングwithガーターベルトにおける錦織敦史とポップンミュージックから直系のポップデザインなので、アレが好きなクソ宅の伍藤はがっつりと心をもってかれてしまった。いやポップンやってないけど……流行ってた小学校〜中学校時分はガンシューと縦シューの人だったから……。そんななのでリズムゲーとかほとんどはじめてなれど、簡単操作でペチペチ遊べる。律動による快感は結構たまらないものがあるし、それにたやすく乗せてくれるので、あれだ、昔あったRezってゲームに近い。ちなみに推しキャラは、パンストにおけるストッキングのようなビジュアルのマリヤ嬢。本当は不良少女verのリンが超好みながら、キャラ解放まで先が長いことおびただしい。いやでも、二四〇円でこうも遊べるんだからいい時代だわ。
あとリメイク版バイオ2の体験版ウォークスルーが公開されてたので見た。なんだか想像していたよりもアレンジメントがずっとずっと上手で、バイオ6〜7ラインの上手な引き継ぎが感じられる作りなもんだから、二十年の時を越えて心が子どもに戻って息を呑んでしまった。
 ラクーン市警警察署が基本デザインを維持しつつ実際的な建築と見えるよう小ぢんまりと再構成され、各所を封鎖するシャッター、死者が割った窓、即席のバリケード、アンブレラの金による影響なのか真新しい武器管理室……とそれぞれの空間が真実味を帯びてる時点で、妙にどぎまぎしちゃった。あまりに見知っているから恐れも何もなかったはずのステージも、生活感と死臭をこめながら暗澹の底に落ち、見知らぬ夜にとっぷりと浸かることでやたらおどろおどろしくなっている。殺され尽くされ、穢されたトポス。所内右翼の廊下なんて、旧作ではあれほど明明としていたくせに重苦しい闇が凝固して、レオンはマグライトを差しむけながらさまよい、ときに照明の機微が作りだす影に惑わされる。そういううまく見通せなさで恐れさせる質感はリメイク版バイオ1/0/7の経験をうまいこと利用しているな。やりかたはどれも胸に響いて、あ、現状の技術だとここまでできるのか、と嬉しさで目が潤む。感動。およびドライアイ。再構成はまた、ADVとしてのお使い要素の過度な部分を省きつつ、空間を堪能させるパターンも織りなすように見え、本当に良い作り。ホラー演出にしても、見当の狂う閉暗所で追いつめられる嫌さや、出会いたくないものに出会う予感がおなじみでありつつ上手になっている。リッカーが間接的に現れる瞬間――窓の外、這う姿が横切って何事かと不安がらせるところも引き継がれててよかった。
 ゴア描写の強化もすごい印象的。海外版バイオ7ほどではないにせよ(あれはちょっとアンモラルすぎる)、引きちぎられた内臓や、屍体の裂傷がさらす肉とか結構強烈。もとより2では下半身をショットガンで撃つと下肢が吹き飛び、上半身だけで這いずってくる、とのアクションはあって、これをアップデートしている感じ。肘を撃ては腕が、膝を打てば足がちぎれて転ぶ。顔に散弾をあてれば肉がずろりと削げ、異様な姿が際立つ。絵面がゾンビモノとしておぞくてキマってる。そうした状況に臨むレオンも再解釈され、衣装が防弾ベストをうえからかけるタイプになってて印象的だった。それでいて所持する拳銃がVP70であったり、劇中で使用されるラップトップが絶妙にでかく分厚かったり、と小物が古臭いのもいいバランス。リサフランク420感。
 システム面では、心電図がダメージを食らったさいにリアルタイム表示されるのがいまっぽかったな。細かいところではガンパウダー調合による弾薬調達や、ゾンビの侵入を防ぐ窓への板張り、消耗品としてのコンバットナイフと各作品のいいとこどりっぽい。ディテールの整理がうまくいっていればバイオシリーズに輝く名作になると思うから、制作がんばってほしいな。絶対買うから。
 と、ひさびさにゾンビ絡みに対して強く思うのでありました。
 June.14.2018
N代官殿、ビーフジャーキー受領いたしました。ごちそうさまです。昔っからビーフジャーキー好きなんすよ……無限に食べてしまう……。
先日、友人らと何年かぶりにカラオケに行った。久々すぎて喉が歌いかたを完全に忘れてて、あ、こんな当たり前だったことですら身体感覚として失われるもんなのか、と愕然とした。声が全然でない。たくさん歌ってスッキリしたので、またほどほどに一人カラオケ言ってみようかな、とかなんとか。
あの頃の良さ……と懐古を嗜む年長者の感覚がわかるようになってて、それはきっと、自分が愛していた時代がかすれ、遠のく、寂しさに耐えようとしての反発行動なんだろうな、とかここのところよく思う。何事も耐えがたきは寂しさというか。しかも寂しさに弱い人間なので余計に。
 と、思いましたのは、古めの小説アンソロを漁ってたら表紙に強いノスタルジアを感じたからであります。あとはPS1/SS〜PS2辺りのゲームを振り返る遊びをしてたら、テクスチャや、それ以前にジャケットデザインとかでうめいちゃった。野暮ったさ、時代感覚を洗練が遠のかせる感じ。改めて直視して比較すると変節でクラクラ。DTP以前の時代に刊行された雑誌の切り抜きを見ても、同じような反応は起こる。その一方で、カプコンがTPS方式のバイオ2リメイクを公式発表し、いまとノスタルジアの境目を溶かすいい具合なクラクラも味わった。バイオ2は発売時から後年の暇潰しまで、レオン・クレア/裏・表と何十周もプレイしたゲームだからたまらんね……。
来年は隻狼、バイオ2、ゴースト・オブ・ツシマ、デビル・メイ・クライ5と期待できるゲームが沢山。ここのところ生きるモチベーションがかなり低下しているので、これらをよすがとして適度にがんばって生き延びたい。しっかし、和風ブラボな新作がでるとかホント因業よね。
買ったり。
 中世賎民の宇宙 ヨーロッパ原点への旅/阿部謹也
 東京の下層社会/紀田順一郎
 幻想の地誌学 空想旅行文学渉猟/谷川渥
 ファントム・コア/韮沢靖
 ピンカートン探偵社の謎/久田俊夫
 明治東京風俗語辞典/正岡容
 異端審問/渡邊昌美
 最近買ったもので主要なところ。明治周辺を舞台にした超伝奇に気がむいてて、いつかやれたらいいなぁと思い、ちょこちょこ本を買ってる。あとは単に近代がブーム。買ったものに含めてないけど、いまちまちま制作中(頭がずっとぼんやりしてるので本当にちまちま)のものの強度をあげたくて、中世ヨーロッパにおける死者/亡霊のありかたの変化を紐解く本を読んでいて、これが結構面白い。「サガ」の時代の死者たちがゾンビみたいだったり、それがキリスト教の布教で変異したり、しかしそのなかに網目を残していたり。お話にネタをうまく反映させられたらいいな。
 May.29.2018
kashmirのてるみながいままで読んでないのが不思議なくらい好みにあうお散歩漫画だった。もっというと架空路線乗り鉄漫画なのだけど、それはさおき。東京であって東京でない都市空間からその近郊の町々、そして現実にあるものをアレンジした異形の架空路線を、猫耳生えちゃった女の子が旅していく。存在しているものを存在しないものが蚕食してくる。その心地を楽しむ漫画なのだけど、異景っぷりがすごい。第一話からして高尾山へ行くだけにもかかわらず、その蚕食っぷりがすごい。不条理なディテールが集積に集積を重ね、ねじまがった景色を車窓に見る。車内には何故か、曖昧な死臭が漂う(ちょっとねこぢるっぽい)。かわいい第一印象が変わり果てて、でもそのちょっとした旅路は呑気であり、主人公のミナちゃんは平然として、ぽやんとした顔に浮かぶのはおおむねご機嫌な表情。でもそこには「終わりらしい終わり」は排されてることが多く、宙ぶらりんのまま、歩いていく道筋が見る見るうちに変わって、狂って、それを修正できずにいきなり焦りを突きつけてきたりもする。お座敷列車の列車という形を超えて無限定かのように続いていく座敷を行く足取りや、秩父へとむかったら帰り道がどんどんおかしくなって、もう完全に見失ってしまう話があり、かなり直接的にそういうのをやってくる。わたしは夢を見るとき、さっきまで歩いていた道が消えて別の道に通じて(夢のなかでは納得してしまう)、どんどんと無関係なところへとつながっていくパターンに出会いやすい。その感覚とかなり親和性があるのですな。悪い夢と楽しい夢を行き来するのを、起きながらにして感じられるのがめちゃくちゃ面白い。panpanyaと合い通じそうなことをやっていそうと思ったら、読んでみるとまったく違うウロウロ感。panpanya作品は夢見心地のようで、実のとこ、話の筋やオチがそれなりにきちっとしている。理詰め、とまで言うと大げさかもだけど。
 もちろん夢心地だけでなく、超大規模構造物として形成された成田空港や、未来に座する秋葉原の下層に埋もれた過去、臨海交通手段の「ゆりくらげ」、超々高層化した箱根山頂駅、といった、SFと幻想が合体した話や絵も良い。それにクトゥルフネタの怪奇幻想回もある。わりと小説読みにもむけられた想像力の重なりあいだと思うな。V林田による架空路線解説のテキストコラムも、なかば掌編小説としての色合いを添えているし。
 森見登美彦。ミエヴィル。このラインの楽しさだな。全体的に。
 そもそもの読むきっかけは鶴田謙二・panpanya・kashmirの対談。そこで景色を描くことに対する態度や楽しさを語っていてとても気を引かれたのでした。やはりこの作品も架空景観を歩む楽しさにガロ系のニューウェイブ感をたたえてるのかな、と思ってたんだけど、本当に手触りの違うこと違うこと。絵にしても、panpanya作品は美大出(芸大だっけ?)の手つきに赤瀬川翁や考現学に通じる裏打ちがある一方、てるみなの想像力は、どっちかというとジャンルとしての装飾が強く、そしてまた描かれる世界の質感は逆柱いみりの風合いが近いかもしれない。逆柱いみりはpanpanyaと個展をやっていた、との情報を加味しても、ミニチュア的な遊びがだいぶね。
同じく楽園絡みで出ているぱらのまも面白かった。というかkashmir漫画を読んだのは中高生ぶりくらい? 昔、○本の住人を読んでいた記憶はなくもない。当時より眼鏡っ子大好きっ子だったが故……。
 May.12.2018
お絵かき供養。雑絵なりにお気に入りな山本ルンルン風&panpanya風バニヤンちゃん。fgoよくしんないけどバニヤンちゃん好き。

違国日記が本当に良い。槇生ちゃんが良い。別に強い大人ではないし、人見知りは人見知りだし、むすっとした顔をしがちだけど、でも眼はそらさないし、どうすれば悪い方向にいってしまわないかって判断や、何に真摯でありたいかは思うとなしに知っている大人。母でないし、姉でないし、友達でないし、恋人でもない。面倒見のいい先輩みたいな、不思議な関係。
「感情の整理がつききらない」みたいな感情が好きらしい。それから微妙に気まずい間とか。落ち着ききらない中間部分、というか、そういうものを何かを書く上で制御できるようになったらきっと楽しいのだろうな。
 May.11.2018
宇宙よりも遠い場所を見た。空っぽで踏み出すことにもためらう子が何かに突き進んでいく姿、他人との接しかた、遠ざけてしまう態度、そして何かと折り合いをつけていくことの描写、そういうもろもろにやられてしまい後半ではただでさえガバガバな涙腺をよりガバガバにされてしまった。パッキンが超ゆるんだ。
前使ってたきしめんケーブルのイヤホンがダメになってからiPhone付属のイヤホンを使ってたのだけど、さすがに厳しいのであたらしいの買った。Ziofenのやつ。アマゾンでセールやってて千三百円だった。値段のわりに音の解像度がそこそこで、エイジングなしでこれなら充分ってなもの。
このところあまり散歩に行けていない。午前をまわって人のいない時間帯から朝にかけて動くのだけど、そこに雨が重なり、でなくとも作業疲れでバッタリいきがち。もったいない。相変わらず住宅地というか、商店や飲食店や大きな道が挟まりながら住宅地がずっとつづいてく場所が好きで、これは動けるなってタイミングだとそういうとこをよくウロウロしている。街灯の夜光もそう多くない空間。完全に寝静まり、散歩やジョギングをする人もほぼいないうら寂しさが遠くまでつづき、コンビニの前に通りがかっても通り過ぎればまたすぐ静けさが戻り、新聞配達のカブがすれ違い、自販機の明かりがボンヤリと顔をのぞかせる。自然に隣りあわせた闇はこごるけど、作り物がどこまでも伸びてく場はなんとなくそうでないことが多い。人の形作る場だけあって何らかの光は用意され、ほのかな反射で薄く透ける感じ。独特の澄んだ(別にきれいとかそういうことでもない)空気がある。そこを通り過ぎていく心地が楽しい。見渡せば青くつづく信号機が……と唄ったのはキンモクセイだけど、あの歌みたいな、ガラスっぽい夜の闇を見る心地に弱い。どこまでもつづいてく家々というようなものが好きなのは、幼い時分、東京は赤羽に住んでたからなんだろうな。生活においてはあまりいい思い出がないけど、同時に忘れられない景色もたくさんある。もうかすれてしまった景色の群れ。ときどき通りがかるけど駅前や商店街、小売店の面影はほとんど失われ、まあ去ったのがちょうど二十年前なのでそういうものだよな。当時は駅の近くに住んでて、商店街から反転して北、または東へ行くと密集してここがどこだかわからなくなる家並みがあり、そこをぼんやり行くのが好きだった。観察より途方に暮れる感覚を楽しむ。母親と夜の散歩をして、高台から夜光を見下ろした記憶もある。結構不良な親だったので遅い時間の徘徊をよくやっており、夜や途切れない家々、人気のない道、皓々と光っている自販機、夜遅くのコンビニでの買い食いなど、影響としてはあんまりにも強い、と、いまなんとなく感じた。
 よくよく考えてみれば、いまのもろもろの遠出にしても眼に見えるものを楽しんだりしつつ、根っこにあるのはどこまで行くんだこれは、という途方に暮れる感じかもしれない。キーボードを叩いていたらうろつきたい気持ちが高まってきた。住んでる地域はおよそ起伏に富んだ地勢がないし、まああれだな、そのうち赤羽をウロウロしたい。
買ったり。
 身体の中世/池上俊一
 エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実/アニー・ジェイコブセン
 未解決殺人事件/タイムライフ
 違国日記2/ヤマシタトモコ
 よっしゃブコフオンラインでエリア51安価争奪に勝利!と、沸いた少しあとに値段が落ち着いてきてると気づく悲しさよ。でも三百円ちょっとだからいいや。トゥルークライムシリーズの本も一緒に買えたし。いやしかしこのシリーズにも本当にハマってしまってて、やはり超伝奇的というか、闇に葬られるべき裏面史みたいなものには弱いんだなって実感させられています。まあ自分の原点だもんな。そもそも超伝奇らしい超伝奇への入り口が中学生時分に刊行のはじまった新装版ヴァンパイヤー戦争で、同時期にMGS3でも冷戦闘争史みたいなものを切り開かれているだけに。機密が解除された資料に基づいて発掘されていく後ろ暗い時代のテクノロジーや策謀はワクワクがかぎりないもんだけど、この趣味性を別にしても、合衆国戦後史の裏でおかしな計画が動きまくっていた事実は面白い。冷戦の闇のなかで打ちたてられては消え、または巨大な碑となった技術や計画――と書くとフィクション的だけど、それが実行されていたという楽しさですね。先だって読み終わった「アメリカ超能力研究の真実」も、その時代なりのスケールで信じられた超能力を、がんばって国防研究に利用しようとして上滑りする人々が面白かった。
 May.07.2018
以前記したねこたろさん案件が公開となりました。カワイイ! パ氏によるファンアートやハルヨさんによるデザイン案ラフ(密かに載せておりました)とあわせて、是非ご覧くださいね。下のリンクから見れます。
 真夜中ハ純潔:画廊
 May.05.2018
思ったより早くラップトップが届いたので環境設定を整えている。整えているのだけど、Win10のワンテンポ遅れる操作感にはそこそこ面倒をかけられて、どうも作業の収まりが悪い。ウェブブラウザ上で表示されるお話の字詰めはWin7の火狐で表示されるのを基準、前提としてたのだけど、解像度の影響なのかなんなのか想定より少ミリ単位で狂うとこにも不満がそこそこ残ってしまう。cssとhtmlで調整のしようもないのでちょいションボリ。しかたないから変化の少ないIEでやってるけど、これにしても太字強調と字詰めに合わせるタグがうまくいってないし、なんだかなぁ……というような今日この頃。変なとこに拘泥するスタイルだと痛い目みるもんだ。
そんなヒィコラしてる伍藤を人道支援してとばかりにゲドティアFUNVOXとか称するアマゾンウィッシュリストを運用中。昨今、patreonだのFantiaだのpixiv FUNBOXだのがなにかと流行ってっから便乗すっぞオラァッ!という次第にございます。時代と寝る男、伍藤潤。なんでもアマゾンギフト券を使うと匿名で送れるらしですよ、ハイテク時代ですね。
 ゲドディアFUNVOX
テキトーに言ったら意外と送ってくれる人がいて嬉しいから成功体験活かしちゃうぜ、みたいな部分は否めない。あと肉が突如送られてくる光景がめっちゃ面白いんだもんよ。
 Apr.28.2018
よほどついてないらしく、いま使っているラップトップが半分死んでる。というより一度死んで蘇らせてまた死んだので、もう反魂の術じゃコラ、と無理をして再復活させていまこのログを書いてる。使い慣れた環境を完全リセットしちゃったんで死ぬほど不便……。そんな状態とはいえせめて代替品が届くまでの二週間、がんばって駆動しててほしい。
 思えばこのラップトップ、それなりの真面目さでお話を書きはじめた時期のちょいあと、2011年前後に購入したもので、耐用年数としてはぎりぎりなのかもしれない。それより前、ゾンビ物書いてた時期は、まだ液晶ディスプレイと本体が一体化したけったいなデザインのPCを使ってた覚えがある。実家からもらってきたやつ。放熱にまったく信頼がおなくて、夏場はよく過熱からのシャットダウンを起こしていたのだけど、いま思うとよくあれで文章を書けていたなと感心してしまう。話は戻って現状のは、たぶんお話を十本くらい書いてる計算なので、まあそこそこ仕事をしてくれたかも、とは思いつつ、貧乏性なので、少なくともおニューが届く二週間後までは死なせはせんぞーッみたいな気持ち。うまいこと生きてくれ、よろしく頼む……。
Nullさん、拍手ありがとうございます。手癖丸出しな猫猫冒険をお楽しみいただけてたら、毎度のことながら幸い至極。前向きが感想が出てくるような出来になってたらイイナ〜。あとねこたろうさんのお話も一緒に楽しんでいただけたら、けだまフレンズ冥利に尽きます。
恋愛とかシスターフッドとか、さまざまな関係性を百合と認識して触れているけど、それっていうのは粗雑かしらん、とちょっと考えた。考えただけで別に善し悪しとかはない(今更区別する気もさほどない)。
買ったり。
 宅飲み残念乙女ズ2/コナリミサト
 サトコとナダ3/ユペチカ
 コナリさんのギャグノリがすんげー膚にあう。凪のお暇は夏に刊行予定らしいので、めっちゃんくっちゃんに楽しみ。
 Apr.26.2018
回線復活し、やはり支払いは忘れずやっとくものだな〜と思った。まずもって早めに支払いをしておく努力をしろ。
夜明け告げるルーのうたでボロ泣き。弱いところをひどく刺された。もろもろ腑に落ちるものがあるので、ceybabyですーんとなってる時点の自分に観せてあげたい。
四月二三日にウェブ拍手でキャットボーイズの感想をくださったかた、ありがとうございます。ログのほうにも目を通している人かはわからないし、レス不要とはあったけれど、お礼だけでも。こうした形で感想をいただけることがそれほどないタイプの人なので嬉しいです。えへへ。
買ったりもらったり。
 別式3/TAGRO
 ファッションフード、あります。/畑中三応子
 ヨーロッパの現代伝説 悪魔のほくろ/ロルフ・W・ブレードニヒ
 お話を書いたお礼にということで本を二冊もらってしまった……。ありがとうね、ねこたろにゃん。大事に読ませていただく。そもそもは某案件のこちらからのお礼として書きはじめたお話だったのだけど、なんか逆転してしまったので、このお礼はいずれ青心的に……(ちゃんとしたクトゥルフ物をそのうち書けるといいな)。某案件に関してはそのうち公開されるだろうと思う。ご期待あれ。
 TAGROさんの別式はキャリアに残るレベルの傑作オルタナ時代劇だと信じて疑わないけれど、ひどい苦境にたたされているらしくてファンとしては心苦しい。恋情デスペラードもそうだけどポップ路線オルタナ時代劇は厳しいのか。伍藤のサイトに来るような人はたいがい好きだろう内容の漫画なので、ポップな絵柄と暗暗としたところにおかれがちな感情や嫉妬、勘違いのやり取りが好きな人は是非是非読んでください。
 兎角、あっさり人を殺す軽々としたノリのバイオレンスやいまっぽい言い回しの交錯する時代劇なのだけど、そのお話の中心にあるのは「女子会」で、そこに鈍感女や勘違いしい、仇を追う男の娘とそれぞれ人間関係をもつれさせやすい子が集まっているのがミソな漫画。人間関係の留め金となって、ふとした瞬間の穏やかじゃなさをほどいてくれる人がいる。でも、これをひとつ失くせば、簡単にひびが入ってしまう……との微妙な距離感の描写が、TAGROさんが描いてきたものの延長にあって非常にたくみ。主人公のことを自分本位で喋る女としたり。その友だちの屈折が苦しかったり。男の娘は裏があっても出しきらず。そしてこれを察して方向を変えさせることに聡い、まともな眼差しをもつ人ばかりが先に消え、こじれやすい人だけが残っていく。少しずつ何かが失われ、寂しくなっていく。仲の良い女の子コミュニティがゆっくりと、血が重ったるく染みついた陰に落ちてく。剣士として負った、あるいは女として負ったさだめが、覆いかぶさって楽しい時間が崩れ落ちていく。はじめに提示された破滅をめざして。そういう心地がすごい。
 あと、過去に活劇特化の話を描いてたわけでないのに、本作においては剣戟を恰好良く作っるのも恐ろしかったりする。鬱陶しい男どもが斬殺されてく光景をバカバカ描く。鎧袖一触、ゴミはゴミ。それでいて一対一のやり合いは、手違い一手が挟まれたら死ぬ斬りあいを、丸っこくて可愛い絵柄と絡めあわせ、どちらがどういう順序をもって制するか読ませない手の重なりをやってくるからもう。おまえ……。
 もうあれだ、本当に色んな人に読んでほしい。なにより伍藤がいまのノリになっているのはTAGROさんの影響が結構大きく、別式にいたってはもう好きなテイストの集合体みたいな漫画なので、この超かっけーやつには大成してほしい。本当に。
Plastic spectreを書いたあとだったか、別式を読んで本気で衝撃をうけたのを思い出した。ほぼほぼ伍藤のやりたいことやってるじゃんこれ、という。ちょっと驚いたねあれは。
 Apr.19.2018
ヨッシャー、もろもろ終わったしネット配信でアニメたくさん見ちゃうもんねー!と、思ったものの、プロパイダ代の支払いタイミングをまずっていたせいで回線が止まり、大変しんどい今日この頃(このログは人ん家でアップロード)。
「Cat Boyz 2 cat」というお話を書きました。MYMENの一人、ねこたろうさんのクトゥルフ神話超伝奇サーガのサブストーリーで、うちのお話の子らもちょっと出てくるクロスオーバーです。まあ内輪受けっちゃ内輪受けだけど、いつもの伍藤だな、という内容にはなってますのでよかったらご一読ください。
よそさまにあててお手紙を書くには字が下手すぎる、と懊悩した果てにペン字を練習しはじめてそこそこたつけれど、あまり上達が見られず、もうちょっとがんばらねば……と思ったりもしてる。がんばりてェ、、、
panpanyaさんの日記で知って以来、ちょいと気になっていたグヤバノジュースを粉末タイプで入手した。ちょうどWebの短期連載で「グヤバノ・ホリデー」という紀行漫画を描いているからタイムリーですね。ちなみにモノはTANGというシリーズのグヤバノ版で、一袋につき一リッターのタイプ。Amazonで現品一点限りだった。
 これがまた直截な言い回しでは褒めにくいおいしさで、味はたしかに伝え聞く通り、桃と梨が近しい。といってそのものでもない。すこぶる甘い桃と梨っぽさの中間に得体の知れない何かが忍びこみ、飲んでる最中はなんだ……なんだろこれ……これはもしや……いややっぱ違うな……なんだこれ……と疑問符がついてまわる。鼻に抜ける風味も薄くボンタンアメっぽさを含み、風味をたしかめようとするたびにあたらしいフォルダが脳内で作成されつづけていく。おいしさを間接的にたしかめ、しかし答えは見つからない。あと粉タイプだからかやたら成分が沈殿しやすく、その見ための不穏さときたらこれ作ったのつい一、二時間前だよな……と心配になってしまうありさま。
 できれば常備しておきたいくらいの味なのだけど、いかんせんAmazonでも品切れ&非表示になってしまって、追加を入手できないのが悲しいところ。調べたところによるとフィリピン本国?ではサンキストもグヤバノを出しているらしい。飲みたい。というか、生のやつを一度食べてみたいもんだね。
買ったり。
 GATAPISHI/新井煮干し子
 黒い時計の旅/スティーブ・エリクソン
 宅飲み残念乙女ズ1/コナリミサト
 魔法少女サン&ムーン 推定62歳/サメマチオ
 アメリカ超能力研究の真実 国家機密プログラムの全貌/アニー・ジェイコブセン
 オフィスハック/本兌有・杉ライカ
 忍殺が低調、乱歩パロがあまりにもあんまりな出来、ハーンが思ったより脱力系、との傾向が見える最近だったけど、ここにきてオフィスハックがきちんと愉快な企業内異能力スパイ小説をやってて猛烈な引力で引き戻されてしまった。こういうの嬉しい。語感のおふざけっぽさに頼る語りに飽きて久しく、お話として、文章として面白いものをくれと願っていた矢先だったから……。オフィスハックは、おおまかなところとしちゃ大規模化した企業を舞台に、ゲーテッド・コミュニティ化を経て、部署ごとの行き来にも困難をきたすほどに閉ざされた環境に潜入する人事仕分け部隊の治安作戦というのが本筋。
 設定のツイストはいつものことながら、一シチュエーションに絞ったやりかたは、シリーズものとしてはお初か。ここら辺に抜かりはなく、忍殺とは別ベクトルのサラリーマンあるあるが装飾としてとりついている辺り、抜かりがなくていい。主人公が激詰めされるとこからの開幕は、忍殺的カリカチュアと、アーこういうよくいままでよく殺されず生きてこれたなってな人間いるよね、というそれっぽさがあいまって読んでてそこそこ嫌な気分にしてくれる。そういうのをやれる程度には地に足をつけていて、お話の核となる企業の隙間を突く造反のそれっぽいチャチさ、うざったさも見事。しかもこの背景に異能力者が暗躍し……という安直にして単刀直入なやり口と文体が、冒険小説/ハードボイルドに近接した作風にだいぶマッチしてて楽しかった。ディテールや質感の語りがものを言う時代超伝奇であったハーンにおいて、投げ捨てるような文体は解離気味(これは作品としての明らかな瑕疵)だったけれど、オフィスハックではマッチしてる。確実に。
 そういう語りをもって描かれる、敵勢力圏内と呼んで相応の他部署のオフィスに侵入していく行程も、異能スパイモノと労働環境をめぐるアレンジに手抜きがない。手順を省略するために異能力――主人公の標的に気配を同期させて動くストーキング能力なんてモロ――をもって、鍵のかかったドアを突破していくところとか、オタク臭い心性をやったら刺激してくれる。敵勢力の牛耳るフィールドにしても、縄張り意識とビルの構造上の問題で立ち入りがたいフロアだけでなく、「地図にないオフィス」とかつっこんでくるから笑ってしまう。インテリジェンス物チックな趣味性に響く。そういったたぐいのくすぐりは武装なんかでもまた露骨で、備品の拳銃はグロック18cオートを基礎に3Dプリントしてテプラが貼られ、ジョン・ウィックパロ風情の防弾衣服もでる始末。そこに装備の「指さし確認」を重ねてくるから、もう、ちょっとこうなったらたまらないじゃないですか。これはダラダラつづけず、三冊くらいで完結すれば本兌&杉としての代表作になると思うのだよな。不満があるとすれば、単行本サイズと不似合いな文章の質感か。改行が多い文体は文庫のほうが映えるんだよね。
 サン&ムーンは魔法少女と終活を組み合わせた素敵な漫画だった。近々生まれる孫の顔を見る前に命を落としたくない、と願う余命三カ月のお婆ちゃんと、それを手伝う親友という二人の元魔法少女の友情のお話。魔法のコンパクトを使うことでかかる一種の不死がつらく、痛みをともなわせ、「生きることと死ぬことを選ばせる」構図がすごい。そんななかでいろいろと決着をつけていく。物的にも。心的にも。それでいて魔法をただ呪いとして湿っぽく描くでもない、前向きで小ざっぱりとした語りが好み、、、
 Apr.06.2018
精神的に折れて拗ねていた。
近頃何してるかっつーとギフト用短編小説を書いてたり(かれこれ二ヶ月半)。難産。あと、思うところあり、気分転換とばかりにあるお話を改訂したり。どうなる。
またしてもバーチャルユーチューバーの話。ふとした拍子に人形劇系異世界Youtuberという存在を知ってしまい、あ〜〜〜〜〜〜〜と変な声が出た。こういうひねったものにめっちゃくちゃ弱い。
人形劇系異世界Youtuber 高い城のアムフォ
 人形劇が好きで、中学生の頃は唐突にウワー今日学校休むわ!となって、平日の朝っぱらから教育テレビでがんこちゃんやバケルノ小学校ヒュードロ組を見たりしていたから、ムベナルカナといえばムベナルカナ。あとニョッキとかジャム・ザ・ネイルハウスが好きだった。後者はストップモーションアニメだし、夕方枠だけど。なんにせよ、手作り感のある映像と現実から少しだけ逸脱した時間の流れというものがとても好きでありました。それがアムフォさんにもつながっていて、これは本編第2回のお便りでも言及されてるんだけど、実際、NHK教育的雰囲気が色濃く、エポックメイキングと懐かしさの中間にある。アムフォさんたら可愛らしくて、呪術師にして「もう貴族ではない」ことから姓をもたないという人物像もなんとも良い。どこかおっとりとした声色で、架空言語をとつとつとしゃべる様子ももはや……ド直球を食らいすぎていっそ悔しい……。
 世界観の造りこみも面白い。アムフォさん自身の呪術師としての振る舞いもそうだし、民族音楽(音数が少なく純粋なテイスト)を踊ってみたとして描き、ゲーム実況と称して架空ボードゲームを淡々と解説し、と異世界のコントラストで静かな興奮をくれる。通底するのは、どこか中央アジア的で、でも無国籍なテイスト――あるいは、ナウシカ/シュナの旅/ICO/ワンダと巨像といった、静々とした景色をはらむファンタジー作品を思わせるというか。もちろん類型に当てはめる必要はないのだけれど、人形劇にかぎらず、メディアとして、近しい心地よさがある。
 もったいないのでちょっとずつ見ている。応援していきたい。
買ったり。
 東京ミキサー計画/赤瀬川原平
 ダ・フォース上下/ドン・ウィンズロウ
 大正幻影/川本三郎
 ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン上下/ピーター・トライアス
 たまご猫/皆川博子
 東京ミキサー計画はまさかの新品で入手できちゃって嬉しい。値段以上の良い本だった。ハイレッド・センターがおおやけを侵犯し、ときに密かなる大暴れを繰り広げる活動が凝縮され、初期衝動と熱意を赤瀬川翁はフンワリと振り返ってく。山手線事件とか宇宙の缶詰とか部分部分は知ってても抜けは多くて、それと同時に、ハイレッド・センターとしての活動は短くて、へぇ、と真顔で感心しちゃう。その期間でそれだけのことを。屋上からものを投げ落としてく「御茶ノ水のドロップ」なんかはまったく存じ上げませんでしたね。散らばったものたちを、時間を逆流してきたテルアビブ空港の亡霊、と表現して提示するのにちょっとゾワゾワした。他にも知らない人にモノ送りつけたりとかも無茶苦茶。こうした主だった活動は約二年で展開していき、終端には千円札裁判がある。ここまでで四年。ほんと短い。なんとなく、渡辺書房で契約社員(手伝ってるときはだいたいこう自称してる)をやるようになって四年だよな……最近のモチベーション高下もまあ……そういう……なんてことを思案したり。
 ウィンズ郎は現代のダークサイドを舞台とする作家としちゃ極限まで突き詰められてる。ダ・フォースはその線で悪辣な世界観をやっているので楽しく、グッタリしてすぐ寝ちゃうのにがまんして上巻一気読みしちゃった。特捜チームの暴れん坊で高笑いしつつ、陰陰滅滅とした視線でニューヨークをえぐっていく、自分の読みたかったそれであるな、と強く思う作風。超大作の犬の力〜ザ・カルテルは多くの視点を行き来する年代記だったけど、こちらはいつもよりどっしり腰を据え、一人の男の破滅を描いてく超大作になってるのもいい。自分の義をなすために毒々しさに染まってる悪徳刑事が、クソッタレクソッタレと滅びのなかを突っ切ろうともがく。包んであるのはそういう陰鬱な饒舌さ。自分の望むこと、自分のやりたいことがはっきりして悪徳を噛みしめる人間が主人公ゆえ、失墜の勢いが苦しいったらない。それは当然のことながら麻薬戦争とは違うベクトルだから、犬の力やカルテルをプロローグ呼ばわりする下巻の帯にはファッキュー!!!!!!という思いが湧いてしまった。書店員の推薦文とかそういうのがそもそも好きじゃなのだけど、重ね重ねファッキュー。あと今回は訳が田口俊樹なんだけど、思いの外あってて嬉しい。いちばん好きなのは東江ないし峯村訳のそれだけど、ウィンズ郎作品であらためて強く感じる田口訳の小ざっぱり加減。漢字を平仮名に崩すときの閾値に、独特の心地良さ、かっこよさを感じる。下巻はゆっくり読んでく。
 あと来年には麻薬戦争シリーズの第三弾を刊行する予定らしく、さすがにヒデーなと思った。アートくん……。
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