謝辞 |
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何か書く人間、こと特定のジャンル的性質に飢えた人間が、「言い出しっぺの法則」とやらに振り回される傾向にあり、自分もどうやったってそのなかのひとりである。そのことは身をもって知っているつもり――と、言いたいところながら、欲求やらを盛大に見誤っていたことは否定しきれない。 回転ノコギリを使った超伝奇的な絵面読みてっす。 などとつぶやいたのが銃爪となったわけだが、よもやこのように長いお話になるとゎだれがぉもぉぅものヵ。筆をすべらせる。ちょっと欲を出す。と、いつものことながらお調子に乗りまくり、阿呆の限りだこれと言う他ない状況に陥った(詳細は省くけど)。しかし結果としてどうにか眼鏡っ子、百合、超伝奇などなど各種お気に入り要素を持ちこみ、世界をうまく動作させるためのスチームパンク、諜報戦争もどきを交え、奇態ながらもどうにか完成にもちこむことができた。これはまぎれもない幸運である。いやマジで。ただし、すべてが幸運のなせるわざでは、勿論ない。 本作を書くにあたっては資料の恩恵と友人の助力があり、それによってささえられた部分はめちゃんこ多い。ここに感謝の気持ちを記しておきたく思う。 素麺さんにはプロットの査読をお願いした。あのとき返信していただいたメモは指針となり、書き進めるなかでささえとなった。 ワタヴェさん、ねこたろうさからのご両名には資料の提供をしていただいた。「失われた夜の歴史」や、いくつかのクトゥルフ関係の書籍は、暗々とした世の臭気を文章に含めるにあたり、大いに役立てさせていただいた。ねこたろうさんは某アニメEDカード風イラストも描いていただいた。描いてッッッ!と唐突きわまりないお願いにもかかわらず即応してくだすったのはありがたいことこのうえない。あのカワイイカワイイにより、ラストにちょっぴりながら安らかな風合いが加わっているものと思う。 輪ゴムうま煮さん(なんなんだよこの名前)には一部舞台設定で協力していただいた。地理的知識に乏しい伍藤にとっては大変ありがたいことであり、おかげで秘境冒険小説の断片のような濃彩を埋めこむことができて嬉しい限りだ。 最後に、メグリム・ハルヨさんにはキャラの設定画や大変かわいい挿絵、メチャクソブラブラドボーン感にあふれる敵の造形だけでなく、一部嘘っこ文献名に関してもお手伝いをしていただいた。これが最大の恩恵であり、ハルヨさんを欠かせばこのお話はここまでちゃんとした形にできたかは怪しいところ、と思うことしきりである。 諸賢には感謝してもしたりない。 ありがとうございました、ンモー本当に。 それにしてもまったくもってドン臭いもので、最初は冗談混じりの適当な動きだったとはいえ、書きあげるまで半年を要してしまった。サイズ自体も微妙なノヴェラではあるが、それでも諸賢の智慧をお借りし、あとはカワイイカワイイへの愛情で、つねよりツヨイ一作になったものと信じている。ささえてくれた(あるいは伍藤のこころの多くの部分を占めてはいるが記すことは叶わぬ)人々、そして暴力的なジャンル小説を好む伍藤が見知らぬあなたに、このお話をどーにかこーにか捧げたいと思う。 少なからぬ愛をこめて。 |